介護サービスの種類別料金を徹底解説!利用者の立場で選ぶ最適な介護とは

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監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

介護サービスは種類が豊富で、料金体系も複雑です。本記事では、在宅介護、施設入所、地域密着型などのサービスごとに料金の違いや特徴を分かりやすく解説。要介護度別の費用目安も表で紹介し、安心して選べるようにサポートします。

居宅介護サービスの内容と料金体系を理解しよう

訪問型サービスの種類と特徴

居宅介護サービスとは、自宅で生活する要介護者が利用できる支援制度です。中でも「訪問介護」「訪問看護」「訪問入浴介護」などの訪問型サービスは、利用者のニーズに応じて柔軟に対応できる点が大きな特長です。たとえば、訪問介護では生活援助や身体介護を組み合わせた支援が受けられ、日常生活を維持するうえで欠かせない役割を果たします。

また、訪問看護は医療的な処置や健康チェックを必要とする方に適しており、看護師などの資格を有する専門職が対応します。訪問入浴は、身体が不自由で入浴が難しい方に対して、自宅で安全に入浴できるよう移動式の浴槽を設置し、複数のスタッフがケアを行います。これらの費用は要介護度や利用時間により異なり、以下のような目安が設定されています。

サービス名内容1回あたりの費用目安(1割負担)
訪問介護身体介護30分以上60分未満約387円
訪問看護看護師による健康管理約500円〜
訪問入浴介護専用浴槽による自宅入浴支援約1,200円
訪問リハビリ理学療法士によるリハビリ約300〜400円

これらは介護保険に基づく単位数で算定されており、地域加算などにより若干の違いが出ることがあります。利用を開始するにはケアマネジャーを通じてケアプランを作成し、適切な事業所と契約を結ぶ必要があります。


通所・短期入所型サービスとその費用目安

通所型サービスとしては、「通所介護(デイサービス)」「通所リハビリテーション(デイケア)」があります。これらは送迎付きで施設に通い、食事や入浴、リハビリ、レクリエーションを日中に受ける形です。また、「短期入所生活介護(ショートステイ)」は、家族の事情や休養目的などで一時的に施設で介護を受けられるサービスで、特に介護者の負担軽減に大きく寄与します。

以下の表は、要介護度別の1日あたりの費用目安(自己負担1割)です。

サービス種別要介護度自己負担額目安(1日)
通所介護要介護1〜5約650〜1,300円
通所リハビリ要介護1〜5約700〜1,400円
短期入所生活介護要介護1〜5約800〜1,500円

これに加えて、施設での食費やおやつ代、日用品費が別途必要となる場合があり、月単位では2万円程度加算されることもあります。


施設入所型サービスの種類と費用を比較する

特養・老健・介護医療院の特徴と料金比較

自宅での生活が困難になった場合に選択されるのが、施設入所型のサービスです。代表的な施設には「特別養護老人ホーム(特養)」「介護老人保健施設(老健)」「介護医療院」があり、それぞれに役割や費用が異なります。

施設名主な対象特徴月額費用目安(自己負担)
特別養護老人ホーム要介護3以上長期入所向け、低費用約10〜13万円
介護老人保健施設要介護1以上リハビリ中心、在宅復帰支援約10〜15万円
介護医療院要介護1以上で医療的ケア必要長期療養・医療機能付き約13〜17万円

これらの費用には、食費や居住費、日用品費も含まれており、所得に応じた軽減制度の利用も可能です。なお、施設によっては入所待ちの期間が発生することもあるため、早めの情報収集と申請が重要です。


地域密着型サービスの柔軟性と費用の仕組み

小規模多機能型・グループホームの特長と利用料金

地域密着型サービスは、住み慣れた地域での生活を継続するための仕組みです。「小規模多機能型居宅介護」では、1つの事業所が通い・泊まり・訪問の3つの機能を提供するため、生活リズムに合わせた利用が可能です。また、「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」では、少人数での共同生活の中で認知症ケアが行われます。

サービス名内容月額自己負担額(要介護5)
小規模多機能型居宅介護通所・訪問・泊まり対応約30,000〜35,000円
認知症グループホーム共同生活と個別支援約25,000〜35,000円

食費や居住費、光熱費は別途発生することが多く、全体として月額12万〜15万円ほどが目安になります。


介護保険の利用限度額と自己負担の基本を理解しよう

介護保険制度では、要介護度ごとに月あたりの「利用限度額」が決められており、その範囲内でサービスを受ける場合は原則1割、2割または3割の自己負担で済みます。

要介護度利用限度額(月)1割負担額2割負担額3割負担額
要支援150,320円5,032円10,064円15,096円
要介護5362,170円36,217円72,434円108,651円

この限度額を超える利用分については全額自己負担となりますので、月ごとの利用計画は慎重に立てる必要があります。事前にケアマネジャーと十分に相談し、必要なサービスを適切な範囲で利用することがポイントです。


まとめ

介護サービスは、その人の暮らし方や希望に合わせて多様に設計されています。自宅での生活を支える居宅サービス、医療と介護を一体で提供する施設サービス、地域に根差した柔軟な支援が受けられる地域密着型サービスまで、それぞれに適した選択肢があります。

料金も幅広く、制度や補助金の利用によって費用負担を抑えることも可能です。最も重要なのは、早めに情報を集め、信頼できるケアマネジャーと連携しながら、自身や家族にとって最も適した介護体制を構築することです。制度の改正やサービス内容の変化に柔軟に対応し、将来にわたって安心できる生活を実現しましょう。

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