要介護1は毎月いくらもらえる?介護初心者が知っておくべきお金と支援内容をわかりやすく解説

介護

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

要介護1の認定を受けた場合、毎月どのくらいの金額が支給され、どんなサービスを利用できるのか疑問に思っていませんか?この記事では、介護保険制度における要介護1の支給限度額や自己負担額、利用できるサービス、給付制度の活用方法についてわかりやすく整理しています。初めて介護と向き合うご家族にも役立つ内容です。

要介護1とは何か?制度の基本を正確に理解しよう

要介護1は、介護保険制度における7段階の要介護認定の中で、軽度に位置づけられる区分です。基本的な日常生活動作は自立していても、部分的な支援や見守りが必要な状態が対象です。たとえば、移動の際に杖を使っているが安定せず転倒のリスクがある、排泄や入浴に不安があり手助けを必要とするなどが典型的です。

要介護度は、市町村に申請を行い、訪問調査と医師の意見書をもとに審査されます。要介護1に認定されると、在宅生活を支援する複数のサービスが利用可能となり、制度的にも経済的にも大きな支援が受けられます。よく誤解されますが、「要支援2」とは異なり、介護が「常に一部必要な段階」に該当するのが要介護1です。


要介護1の支給限度額と自己負担額を理解する

要介護1に認定された場合、介護保険で利用できるサービスの月額上限は167,650円(16,765単位)です。自己負担額は所得に応じて異なり、1割、2割、3割のいずれかとなります。以下の表で整理します。

所得区分自己負担割合自己負担上限(月額)
一般(低所得)1割約16,765円
一定以上所得者2割約33,530円
高所得者3割約50,295円

この上限は、1か月間に利用できるサービス費用の「枠」であり、利用しない限りお金がもらえるという意味ではありません。また、この枠を超えてサービスを利用した場合、その超過分は全額自己負担となるため、ケアプランの調整が不可欠です。


要介護1で受けられる介護保険サービスの一覧

要介護1では、以下のようなサービスが利用できます。自宅での生活を維持するために多様な支援が存在します。

サービス名内容例
訪問介護調理・掃除などの生活援助、排泄介助など
通所介護(デイ)送迎、入浴、リハビリ、レクリエーションなど
短期入所(ショート)一時的な施設入所による生活支援
福祉用具貸与ベッド、手すり、歩行器などのレンタル
訪問看護看護師による健康チェックや医療的ケア

訪問介護では、利用時間によって単位が細かく分かれており、生活援助と身体介護の組み合わせで必要な支援が選べます。通所介護は、日中の時間を施設で過ごすことで身体機能の維持や社会的交流の促進を図ります。


給付金制度でさらに費用負担を軽減できる

要介護1では、介護保険サービスに加え、特定の費用に対する給付金制度も活用できます。以下の表をご覧ください。

制度名支給対象上限額自己負担割合
福祉用具購入費入浴用椅子、ポータブルトイレ等年10万円1〜3割
住宅改修費手すり設置、段差解消、床材の変更など20万円1〜3割

これらは「償還払い」の形式が多く、いったん全額を支払い、その後市町村に申請することで負担割合に応じた額が戻ってきます。介護環境を整えるためには大変有効な制度ですので、早めにケアマネジャーへ相談することが推奨されます。


日常生活の工夫と介護予防にも注目しよう

要介護1の段階では、今後の要介護度の進行を防ぐための取り組みがとても重要です。転倒予防や栄養バランスの改善、適度な運動など、日常生活の中でできる工夫を積極的に取り入れるべきです。デイサービスで行われる体操やリハビリも予防につながります。

また、介護家族の支援も忘れてはなりません。介護を担う家族が疲弊しないよう、ショートステイの活用や地域包括支援センターの相談窓口を活用して、継続的なケア体制を構築することが必要です。


まとめ

要介護1では、介護保険の支給限度額内で各種サービスを柔軟に組み合わせて利用できることが最大の特長です。月167,650円相当のサービスを、1割から3割の自己負担で受けられ、訪問介護・デイサービス・福祉用具の活用などにより在宅生活の質を保つことが可能です。

さらに、住宅改修や福祉用具購入などの給付制度を上手に使えば、介護費用の負担を抑えることができ、結果的に生活の安定にもつながります。要介護1と診断された時点で、将来を見据えた生活設計が求められます。地域資源や専門職と連携しながら、自分らしい暮らしを守っていきましょう。

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