お金がなくて介護サービスを利用できない場合どうすればいい?利用できる支援制度をわかりやすく解説

介護

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

介護が必要なのに費用が心配でサービス利用をためらっていませんか?本記事では、低所得世帯や生活保護受給者向けの公的支援制度、無料・低額サービス、自治体の助成制度まで詳しく解説。経済的な事情に関係なく、安心して介護を受けるための情報を提供します。

公的な介護支援制度で費用負担を軽減しよう

日本の介護保険制度は、すべての人に公平に介護を提供するための仕組みとして構築されています。対象者は、65歳以上の高齢者と、40歳以上で特定の疾病により介護が必要となった方です。申請には市区町村の窓口で要介護認定を受ける必要があります。

この制度では、サービス利用時の自己負担割合が原則1割、所得に応じて最大3割までと定められており、経済的困難を抱える方への軽減措置も設けられています。生活保護を受けている場合は、さらに自己負担の免除や補助が適用されるため、サービスの利用が実質無料となるケースも少なくありません。

対象者自己負担割合備考
一般世帯(課税あり)1〜3割所得により異なる
住民税非課税世帯(低所得)1割多くの自治体で減免措置あり
生活保護受給者実質ゼロ全額公費負担、サービス制限なし

制度の利用には手続きが必要ですが、地域包括支援センターや市役所の福祉窓口で無料相談を受けることができます。自力での対応が難しい場合は、家族やケアマネジャーのサポートを受けましょう。


無料・低額で利用可能な介護サービスを知る

経済的な理由で公的介護保険の自己負担も難しい方には、「無料・低額介護サービス」が提供されています。これは社会福祉法人やNPOなどが行う慈善活動の一環として実施されるもので、利用者の収入状況に応じて費用が減額、もしくは免除される仕組みです。

サービス内容提供主体利用料金の目安特記事項
話し相手・見守りNPO・地域団体無料〜数百円高齢者の孤立予防に効果大
食事宅配サービス社会福祉法人等300〜500円/食要配慮食対応も可能
家事代行・買物同行ボランティア等実費負担のみ申請不要で即日対応も可能

これらのサービスは、地域の福祉協議会や包括支援センターに問い合わせることで詳細情報を得ることができます。無料であっても質の高い支援が受けられるため、遠慮せず利用を検討するべきです。


自治体独自の助成金や支援策を活用する

市区町村が独自に行っている支援制度は、見逃されがちですが実際には非常に重要な役割を果たしています。各自治体には予算に基づいた福祉施策が存在し、その中には介護サービスの補助、設備改修支援、福祉機器購入補助などがあります。

支援内容支給条件上限金額例
家族介護慰労金在宅で介護を1年以上行った場合年3〜6万円程度
福祉用具購入費助成要介護認定を受けた人年10万円まで
住宅改修助成手すり・段差解消などの設備改修20万円まで9割補助

情報は各自治体の福祉課やホームページに掲載されており、手続きには見積書や申請書の提出が必要です。時期によって申請受付が限定されている場合もあるため、早めの確認が肝心です。


一時的な費用支援・貸付制度も活用しよう

急な介護が必要になった場合に利用できる制度として「生活福祉資金貸付制度」や「高額介護サービス費の払い戻し制度」があります。これらの制度は、国や自治体が設けたものであり、一定の収入以下の世帯を対象にして無利子または低利子で資金の貸し付けを行います。

制度名内容利用条件
生活福祉資金貸付制度介護用品・サービス費用を貸付所得制限あり、連帯保証人が必要
高額介護サービス費制度月額上限を超えた費用を返還申請制、領収書の保管が必要

特に、高額介護サービス費制度は所得に応じた負担上限が設定されているため、一定額を超えた場合は自動的に払い戻し対象となります。該当するか否かを知るためには、毎月の領収書をしっかり保管しておくことが不可欠です。


地域包括支援センターにまず相談を

各種制度の中身が複雑に見えても、安心してください。地域包括支援センターは介護に関する相談窓口として機能しており、制度の説明や申請の代行支援まで対応しています。要介護認定の手続きから、ケアプランの作成、サービス事業者とのマッチングまで一括して相談可能です。

支援センターは全国の市区町村に設置されており、誰でも無料で利用できます。身近な施設を訪れることで、自分にとって最適な支援制度を見つけ出す第一歩となるでしょう。


民間支援や地域ボランティアの活用も視野に

民間企業によるサービスや地域ボランティアによる支援も、経済的困難を抱える家庭にとって重要な補完手段です。特に、地域に根差した活動を行う団体では、柔軟で迅速な支援が可能なことが多く、孤立の防止にもつながります。

近年では、民間の介護付きシェアハウス、移動介護バス、認知症カフェなども登場しており、生活支援だけでなく心理的なサポートにも貢献しています。行政支援と組み合わせて利用することで、より安定した生活環境を築くことが可能となります。


まとめ

介護が必要でも経済的な理由からサービスをあきらめる必要はありません。日本には公的制度、自治体独自の助成、ボランティア、NPO支援など多層的な支援が用意されています。まずは地域包括支援センターに足を運び、自分に合った制度を知ることが何よりも大切です。情報を得て、安心できる介護生活を始めましょう。

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