葬儀の流れとは?臨終から火葬・法要までの全体像と準備方法

葬儀

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

突然の訃報に直面したとき、多くの人が「何から始めれば良いのか分からない」と戸惑います。特に喪主を務める立場になった方は、悲しみの中でも冷静な判断を求められます。本記事では、葬儀の流れを時系列に沿って詳しく紹介しながら、必要な準備や注意点をわかりやすく解説します。初めての方でも安心して対応できるよう、実務に即した情報をお届けします。

葬儀の基本的な流れとは

葬儀は、故人を見送るための厳粛な儀式であり、宗教儀礼だけでなく社会的責任を果たす場でもあります。多くの人にとって喪主や遺族として葬儀を経験することは人生で数回あるかないかです。そのため、何をすれば良いのか分からず、不安を感じる方も少なくありません。

一般的な葬儀の流れは以下の通りです。

段階内容
臨終死亡確認、死亡診断書の発行
搬送遺体を自宅や斎場へ搬送
安置枕飾り設置、納棺準備
納棺遺体を棺に納める儀式
通夜故人と最期の夜を過ごす場
葬儀・告別式宗教的儀式と一般参列者によるお別れ
火葬火葬場での荼毘
骨上げ骨壷に遺骨を納める
精進落とし会食による締めくくり
法要・手続き四十九日や香典返し等

このように葬儀は複数の段階を経て進みます。それぞれの工程に意味があり、準備も異なりますので、全体像を把握しておくことがとても大切です。


臨終から通夜までに必要な手続き

身内が亡くなった際、まず行うのは医師による死亡確認と死亡診断書の取得です。病院であれば医師が対応しますが、自宅での死去の場合は訪問医を手配する必要があります。死亡診断書を受け取ったら、役所に「死亡届」を提出し「火葬許可証」を受け取るという法的な手続きを進めます。

手続き名提出先必要書類注意点
死亡届市区町村役所死亡診断書7日以内の提出義務あり
火葬許可申請同上死亡届と併用葬儀社が代行可能な場合もあり

並行して行うのが遺体の搬送と安置です。遺体は病院から自宅もしくは安置施設に搬送され、宗派に応じた枕飾りが施されます。搬送業者や葬儀社は24時間対応のところが多いため、慌てずに相談することが可能です。

安置の際にはドライアイスの設置や衣服の着せ替え、納棺の段取りも進めておきましょう。遺影写真の選定もこの時期に済ませておくのが理想です。


通夜の準備と進め方

通夜は故人と過ごす最後の夜であり、親族や親しい知人が集まり故人を偲びます。準備にはさまざまな工程があり、事前の段取りが鍵となります。

項目準備内容
式場手配斎場または寺院の予約
僧侶の依頼菩提寺の確認・読経のお願い
受付準備会葬者名簿・香典管理体制の整備
返礼品香典返し用ギフトの用意
通夜振る舞い会食の手配・メニューの決定

喪主は会葬者への挨拶や僧侶の迎え入れなどの役割を担うことになります。挨拶文はあらかじめ用意しておくと安心です。親族内で役割分担を明確にし、誰が何を担当するかを決めておくことで当日の混乱を防げます。

また、斎場の音響や照明のチェック、供花や香典の手配なども通夜前日までに済ませておくべきです。


葬儀・告別式当日の流れ

葬儀は、宗教的な儀礼を中心とした厳粛な式典です。葬儀では僧侶による読経、喪主や親族による焼香が行われ、続いて告別式では参列者が焼香し、故人とお別れの時間を共有します。

式順内容
開式の辞喪主が開式の挨拶を行う
読経・焼香宗教儀礼の中心、僧侶主導で進行
弔辞友人・知人代表による追悼の言葉
告別式一般会葬者による焼香とお別れ
閉式の辞喪主が参列者に感謝を述べる

出棺時には「別れ花」と呼ばれる儀式があり、棺の中に花を手向け、故人の旅立ちを見送ります。霊柩車に乗せて火葬場へと向かいますが、火葬場の予約と移動手段も事前に葬儀社と確認しておくことが重要です。


火葬から納骨・精進落としまでの段取り

火葬場では、火葬の前に最後の別れを済ませた後、荼毘に付します。火葬には通常1~2時間ほどかかり、その間、控室で待機するのが一般的です。

火葬後には「骨上げ」と呼ばれる儀式が行われ、遺骨を骨壷に収めます。この作法は宗派によって異なるため、葬儀社や僧侶の指示に従って進行します。

その後の「精進落とし」は、参列者に感謝の気持ちを伝える場であり、会食を伴います。

精進落としの構成内容
会場斎場の会食室または近隣の料亭など
メニュー精進料理、折詰、お寿司などが一般的
挨拶喪主が謝辞を述べることで締めくくる

納骨は、当日に行う場合と四十九日法要後に行う場合があり、墓地や納骨堂の手配も含めて準備を整えておくことが求められます。


葬儀後の手続きと法要について

葬儀が終わっても、数多くの事務的・宗教的な対応が残ります。なかでも「四十九日法要」は重要な節目であり、僧侶の手配、会場の準備、供養品の選定、案内状の送付など、細かい準備が必要です。

主な手続き内容
香典返し四十九日法要に合わせて一括で手配
遺産整理相続手続き、銀行口座の解約等
保険手続き生命保険・健康保険の請求
年金停止年金事務所への届出
税務処理相続税の申告、準確定申告など

これらの手続きを早めに進めることで、後のトラブルを防ぎ、円滑に整理を終えることができます。特に香典返しは失礼のないよう、地域慣習を踏まえた贈り物選びを行いましょう。


まとめ

葬儀は突然訪れるものです。いざという時に慌てないためにも、事前に信頼できる葬儀社を見つけておくことや、エンディングノートを作成しておくことは非常に有効です。家族との話し合いを通じて、本人の希望や価値観を共有しておくこともトラブルを避ける重要な手段です。

また近年は事前相談や見積もり対応に力を入れる葬儀社も増えています。無料相談を利用して、費用や葬儀形式、法的手続きについても確認しておくと安心です。人生の最期をどう迎え、どう送り出すかを考えることは、今を大切に生きることにもつながります。

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